2015.03.03

連休初日。

ちょっと張り切って早起きをして、髪を切りにいく。
前髪と襟足を整えるくらいにして、あとはパーマをかけてもらった。
シャワー台でタオルで目隠しをされて、そこで職場であれこれ仕事の段取りを考えていた。
夢だと気がつくまでしばらくかかるくらい、はっきりした夢だった。
パーマ液を定着させるために少し放っておかれたのか、丁寧にシャワーをしてくれたのか、もしくはほんの一瞬寝ていただけなのか、ともかくとても深い眠りから覚める直前の夢特有の明快さで、目を覚ましたとき自分がどこにいるのかわからなかったくらいだ。

一度家に戻ってお昼ご飯を食べる。賞味期限の二日くらい過ぎたおにぎりをふたつ、同居人にもらったのとインスタントの豚汁。さすがに2日も過ぎるとお米はぽろぽろで海苔はしけっているけれど、豚汁で流し込むとだいたい同じことでそこそこ旨い。

14時過ぎから週末に上演するお芝居の稽古がある。
それまでだらだらとリビングで読書とメール。だらだら『SHERLOCK』を流しておく。もう大好きなのだ、このドラマが。

役者の一人が到着。
脚本を軽く読み合わせてだいたいの上演時間をみてみる。ほぼ予想通りで勘の鈍っていないことが嬉しい。
16時過ぎにようやくもう一人合流し、疲れたので近所のスーパーまでお菓子を買いに出かける。
みたらし串だんご、ナッツのチョコ、歌舞伎揚げ、ひな祭りなのであられも買った。
つまみつつ、稽古を進める。
立ち稽古で役者動きをつけるとき、あまりの悦びにワーッと叫び出しそうになる。
こらえきれずニヤニヤしながらリビングをうろうろ歩き回る。
ああ、やっぱり、楽しい。残念なことに。

夜、劇団のテーマ曲を作ってくれる同居人が帰宅。みんなで候補の中からやっと一曲選んだと伝える。

近所のハンバーグ屋さんで夕ごはん。
出る直前に隣の席に座ったちびっこが、「ハンバー、ガー?ハンバー、グ?」とか、有り余る元気が大声で発散されて、とても可愛かった。
わかんなくなるよね、ガーか、グか。

そのまま役者の子の家まで、電車とバスに揺られていく。
あしたの朝、美味しいパン屋さんに出かけて行って、坂の上のきれいな梅と、菜の花を見に行くためだ。
彼女が出してくれた車で銭湯までいき、もう掃除はじめるからはやくでなさいよ、とばあさんに急かされつつ、この、お店の人が優位の世界はいいなあと、にこにこしながらいいお湯でした。

ぽかぽか家に戻って、この家は二年前の夏からとてもとても大事な場所で、死ぬときに思い返したいような思い出がたくさん詰まっていて、この家の匂いはそれらを今夜も思い起こさせる。
今の今まで稽古をして、セリフを覚えこむ。
今回は稽古期間3日とか、いつも以上に突貫で、そのくせ分量は多めなので、たいへんだ。
とても悦ばしい、くるしさだ。

お茶を飲みながら、結婚とかの話をする。
そろそろほんとうに、なんでもなく、自分の話としてこういう話をする。
何人もの友達がFacebook上であたらしい苗字を名乗っている。
二歳になる姪っ子がかわいいとか、中学時代の友達から結婚のお知らせすら来なかったとか、おしゃべりの時間は穏やかに過ぎる。

なんとなしに訪れた会話の途切れ目に、布団を敷き始める役者を横目に、これを書き始めた。
書き終えようとするいま、二人の役者はそれぞれ脚本を読み込んでいる。
今回は僕自身も出るので、僕も、さっさとこれを切り上げて台詞を覚えなくてはいけない。

明日は予報は雨だけれど、晴れるとまではいかなくても、雨は止んでくれているといいな。