2015.03.11

昨晩はなんということだ晴れていて、パソコンに実家で撮りためた写真を取り込んで家族のみんなと共有する手はずを整えながらジャージに着替え、写真のデータがアップロードされるのを見守りつつかるく準備運動をする。ようやくアップロードが終わると真っ白なスニーカーを履いて外に出た。
外気は冷たく、軽く早足に毛の生えた程度の速度で走り出すとすぐ喉から肺にかけて冷たい空気でいっぱいになる。呼吸が浅くなり、すこし溺れているみたいな気持ちになる。
ひとまず体が火照るくらいまでてきとうに走ろうと、ぼけぼけと走っていたら見事に迷子になった。
我が家の裏は軽く丘のようになっていて、起伏が激しい。
坂道の負担は気持ちが良かったけれど、登ったり降りたりは方向感覚をかんたんにまどわす。
電信柱で住所を確認しても、そう遠くまできてしまったわけではないとわかるけれども家がどっちだか結局わからずじまいで、落ち着かない気持ちのまま走り続ける。
こんな時間にも人通りはちらほらとあって、その人たちの向かっている方向にきっと彼らの家がある。彼らの来た方に駅がある。それは多分確かだろうと思った。
ようやく見覚えのある道に出たころには、すっかり体が冷えてしまっていた。
家に帰るとなんてことはない。20分も経っていなくて、でも走るのは楽しいかもしれない。
一日おきがいいらしい。

すこし気持ちが悪くなってしまい、かんたんにマッサージをしようと横になったつもりがそのまま寝てしまう。

明け方に一度目を覚まし、目覚ましをセットする。

今朝は早めに起きて出勤の準備に余裕を持つようにした。

お弁当をちゃっちゃと準備する。今日か明日、冷凍食品のおかずの買いだめをしなくちゃいけないな、と思う。
リビングにあぐらをかいて、iPodグレゴリオ聖歌を聴きながらぼけーっと瞑想。
珈琲をいれる。
下らないテレビ番組を見るともなしに見る。テレビは下らないことばかり言う。

電車のなかで連休中の写真を眺めて一人にまにまする。
この日々があったからしばらく生きていこうと思える。

出勤して連休のお礼を言うと上司の機嫌が悪い。きょうはそっとしておこう。一挙手一投足にダメ出しをする勢いだった上司は、なんだかんだこの一年でのらりくらりかわす術を覚えたころには僕を見捨てたようで、こちらから仕掛けない限りは相手にしないことにしたようだった。仕事は初日にしてはまずまずで、でも年始のころのとんでもないミスが、それは誰が悪いというものではなかったのだけど、発覚して、それは僕らの管轄だったのでこっぴどく怒られた。結構シャレにならない。

もうひとつ、シャレにならないくらい後回しにしていた仕事にようやく手をつける。
同期と二人、しょうもない話をしながら倉庫で、つまらない時間を過ごす。

あっという間に終業。
機嫌は悪くも良くもない。
この会社の人たちはだいたい機嫌が悪い。
帰り際も、乱暴に隣に割り込んでバチーンッとパソコンを起動させた先輩が醸し出す、話しかけるな、という無言のプレッシャーを感じつつ、作業を終わらせて帰る支度をする。
だいたいこの会社では、偉い人ももっと偉い人に怒鳴られている。
それを見るたびに、ああも無邪気に自分の不機嫌を振りまける彼らの気の強さに感心する。
まだ休み明け初日だからこのくらいにことを嘯く余裕はある。
疲れてくると僕もついいらついてしまう。それはだめだ。
この仕事は好きだけれど、ここのこういう雰囲気はあんまり好きじゃない。
いつでもへらへら機嫌よくいることが、俺なりの抵抗なのだ。
仕事はそこそこできればいいから、飄々と、丁寧に、親切に、過ごしていければなあ。
なるべく頑張ってみたい。

帰りの電車では寝ないで作業。
あっという間に最寄りの駅で、閉店間際のダイエーで冷凍食品のおかずを買い込む。
まだまだ元気。
くたびれてくるのはいつごろだろうか。
明後日かもしれないし、来月末くらいまでは頑張れるかもしれない。

帰宅して弁当箱を洗いつつ、夕飯の支度。
コストコで買って冷凍しておいた豚を茹でてポン酢で食べる。
豚しゃぶにするには油も多すぎたし、肉厚すぎた。まずくはない。

やっと連休が明けたと思ったらあしたもお休み。
スーツからよれよれの古着に着替えて世田谷の後輩の家に飲んだくれに出かける。
横浜から上りの終電は早い。
食べ過ぎでもないし空っぽでもない、ちょうど良い腹具合で悠々と早歩きで駅に再び向かう途中、いまさらふくらはぎに軽い筋肉痛をおぼえた。