2015.04.03

昨日の夜から祖父母の家に遊びに行って、甘やかされてきた。
ゆっくり湯に浸かってぐっすり寝る。
のんびり起きて、たっぷりの朝食を食べて、ごろごろしながら読み返していた岡崎京子の『私は貴兄のオモチャなの』ってこんなに面白かったっけ。

日の出町のほうに出かけて行って、川沿いの屋台でなんかすごい悪い人たちと花見をする。
風が強くて桜が吹雪いた。
曇り空のした悪い人たちの背中に吹き付けるそれはそこまできれいじゃない。
とても面白い席だった。

川向こうの高架下にはおしゃれな古本屋があって、思わず何冊か買ってしまう。
なんだかんだ月に1万は本につぎ込んでいる気がする。
これだからお金が身につかない。
それから野毛山動物園の方まで坂を上って行って、うっかり会社の人と出くわして驚いた。
外で会うと会社の人もただの人で、この人にもこの人の人生があるという当たり前がスコーンと腹に落ちて、ああ、会社の人たちも人間だ。そりゃめんどくさいこともあるわけだ、と多くの人たちの思いつきもしなかったそれぞれの生活を考えてしまう。

だらだらのんびり桜木町まで歩いて、夕飯を食べに祖父母の家に帰る。
一風呂浴びて、NHKの『ファミリーヒストリー』をみる。
初めて見たけどいい番組だねえ。
萩本欽一の父母とのあれこれに、久しぶりにテレビの番組に泣かされた。
母はテレビに出て人に笑われている僕のことが恥ずかしかった。
そう語っていた欽ちゃんが、目をしばしばさせながら、最後の最後に呟く「テレビっていいねえ」という一言に、隣に祖母がいなかったら声をあげて泣いていたかもしれない。

欽ちゃんのせいだろう。
さみしくてたまらない気持ちで帰路につく。
帰宅する頃には日付も変わっているだろうけど、明日は仕事なので横浜まで戻っておいたほうが都合がいいのだ。
母に電話をする。
駅までの歩く道、さみしかったり手元無沙汰だったりするとすぐ電話をする。
学生のころ、いや卒業してからも今の家に引っ越すまでは、こうして実家に電話をすることは恥ずかしいことだと思ってなるべく避けていた。
素直に電話をかけたいときにかけれるようになったのはいいことだ。たぶん。
素直になって、やさしくなりたいと思えば思うほど、どんどん弱くなっていく。
あんまり弱くなると優しくなれないから、ちょっとはふんばって格好をつけるべきだけど、かつて毎日のようにオムツを替えてもらった相手に対してつく格好なんてものはない。
ファミリーヒストリー』をみたあとだと、この母も人間なんだと思う。
いま起きていることは、僕の排泄すらも面倒を見てくれた母ですら、はじめてのことだらけなのだ。
いつか母の話を聞いてみたいと思う。
いまはまだ、自分のことばかり。

今日の昼からポケットWiFiの充電が切れていて、帰宅するまでブログをアップできない。
今これを書いているのは京浜東北線南浦和行きが関内についたところ。
午後11時23分。
電池の残っている、そのくせネットには繋がらない、iPadのメモにこうして書いている。
1分後のいま、発車しました。

横浜駅西口から家までの道中、ハマボウル前、川沿いの道にも桜が植えてあって、その下に等間隔でカップルがくっつきあって座っている。
春だねえ。
彼ら彼女らは春だから浮かれているのではなくて、いつも浮かれているけれど冬の間は寒いので部屋の中で浮かれていたというだけなのだ。

帰宅次第、このしょうもない日記は公開されます。