2017.02.06

いま借りているマンションの工事がはじまって、ベランダには容赦なく足場が組み立てられていく。ようやく部屋の窓から見える位置まで組まれかけている鉄棒が、風にあおられグラグラ揺れているのを眺めながらのんびりとした気持ちになる。

 

今日はお休みなのだ。

 

だから10時くらいからキンキンなる金属音も、工事のにいちゃんたちの話し声も、ぜーんぜん気になんかならない。

簡単な朝ごはんを支度しながらhuluで『死霊のはらわた リターンズ』のシーズン2を見る。

まったくおめざに見るものでも、食事中に見るものでもない。

かわいそうな若者がアスファルトに顔面を擦りつけられ血みどろの頭蓋骨がむき出しになるさまを聞き流しながら、トーストにチョコレートスプレッドを塗る。

おいしい。

 

仕事も佳境なのでタブレットでメールをチェックし、いちおう社用携帯の電源を入れる。

急な用事はなさそうなので見るだけで明日にまわす。

昨晩の洗濯物をちゃきちゃき畳んで大雑把に部屋を片付ける。

ここまでに3人の若者が死んだ。

まだ乾ききっていないものをひとつにまとめて布団乾燥機で急かしにかかる。

亀の水槽の水を入れ替えて餌をやる。

今週の死霊の首も飛んだ。

 

お休みの日は生きてるって感じがする。

仕事が嫌いなわけではないが、お休みの日が好きすぎる。

仕事が楽しくなってきたのは、一番仕事がつらい今年度になってからで、

なんだかんだ手前で責任しょって手前でなんとかしなくちゃいけない状況はアドレナリンがドバドバ出る。

けれどもそうした興奮の中毒になるよりも、家でだらだらすることに愛着を持ったままで生きたいとつよく思う。

仕事で自分や家庭を犠牲にする上司を何人も見た。

そのたびにたかが仕事で「犠牲」を強いられる阿呆くささにげんなりする。

 

自分にとってなにが一番大切なのか。

それが仕事ではないことだけははっきりしている。

たかが仕事、のスタンスで、アドレナリンをドバドバ出してしっかりちゃっかり仕事する。

今はそういうのがいいと思っている。

 

自分にとって嬉しいことは何か。

誰と嬉しくなりたいのか。

どんなひとに、嬉しくなって欲しいのか。

 

ものごとはなんでも、あっけないくらい素直でシンプルな見方をしたほうが具合が良いみたいだ。

 

自分はこれからどんな仕事をしていくかしらん。

そんなことより、今度の奧さんと一緒のお休みにはなにをしようかな。