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2017.05.18

結婚して、もう関わる他人は奥さんだけでいいとまで思いかけた。

けれども奥さんにモテ続けるためにも、

そして何より自分自身に愛想を尽かされないためにも、

色々と興味を持ち、足を突っ込んで行くような、

人懐こい軽さはなくしちゃいけないと思い始めている。

それはずっと口では言ってきたことだけれど、やっぱりここ一年はどこか

関わる人間は奥さんだけで充分だと思っていたふしがある。

 

正直、いまでも充分だと思っているところはあると思う。

どうせあと半世紀もしたらだいたいの友達は

この世かこの世じゃないどこかに散り散りになって

自分の近くからいなくなってしまうのだから、

半世紀後も一緒にいたい人だけを大事にしてもいいんじゃないか。

 

他人を大事にするというのは本当にたいへんなことだ。

だから、いまこの世にいる他人のうち、大事にするのは奥さんだけでいい。

いい、というか、それ以上手に負えると思い上がってはいけない。

奥さんというたった一個人でさえ、

頭からつま先までもれなく大事にすることはできっこないのだ。

できっこないことを、いつまでも懲りずにやり続ける。

そのやり続けること自体が楽しい。嬉しい。気持ちいい。

奥さんはそう思える相手だから最高だ。

そういう人は一人いればいい。

 

やみくもに大事にすることなく、他人と関わる軽さを身につけたい。

誠実であろうとすればするほど軽薄であるほうがいい。

そんな屁理屈がもっともらしく思えてしまうのは、

それだけ自分に余裕が出てきたということなんだろう。

 

お誘いがあるうちはなるべくフットワーク軽く、

お誘いに乗ってくれる人がいるうちはつとめて軽佻浮薄に、

いろんな人といろんな所に出かけて面白いことをたくさん見聞きしたい。

そうやって種々様々な余計なことや変なことを蓄えこんで、

奥さんや自分自身に「こいつ面白いやつだな」と思われたい。