2018.07.25

口の中のあらゆる場所に口内炎がある。
朝まったく起きられないばかりか夜帰宅すると人語があまり理解できない。人語であることはわかるのだけれどそれを処理することを言語野が拒むようなのだ。


人工甘味料はまじでやばい。
「みんなやってるよ」「おいしくて楽しいよ」という誘いにほいほいついていったら身も心もボロボロになる。一度はまると最後。菓子パンが食べたくて食べたくて仕方がなくなる。肌は荒れ髪の毛は抜け疲れやすくなる。イライラもする。菓子パン断ちはまたこれがしんどい。かわりにドライフルーツやナッツをおやつにするとまず財布がおおきな打撃を受ける。財布の余裕のなさが心の余裕を奪い、「ちょとくらいなら……」とふたたび菓子パンに手を伸ばすようになる。そして肌は荒れ髪の毛は抜け疲れやすくなる。イライラもする。


それでも僕は困難を乗り切った。この一週間すっかり菓子パンに手を付けていない。
しかし、それなのに、口の中のあらゆる場所に口内炎がある。朝まったく起きられないばかりか夜帰宅すると人語があまり理解できない。人語であることはわかるのだけれどそれを処理することを言語野が拒むようなのだ。
菓子パンをやめたのにこの仕打ちはなんだ。


疲れがとれない。
もういやだ。
夏か。
これが夏というものなのか。
それならば夏、僕はやっぱりお前が嫌いだ。


お前、といったが、たかだか季節に「お前」と呼びかけることで人格を仮構するようなそんなのも癪だ。夏はなんというか、人じゃないし、ただ、暑い。なんかそういう、不快な、気候変動の産物というか、季節。いや、なんか季節って言葉に情緒があるじゃないですか。そういう情緒も夏にはもはやないと思うのね。なんかもっといやな呼び方はないものか。夏という字を見ただけでうええって怖気だつような、そういう汚らしい表現を夏に対してしたい。


同居人がおいしい夏メニューをよく作ってくれて、夏野菜カレーや冷やし中華やそういうのを食べると「夏も悪くないじゃん、むしろ好きかも」と僕は言った。確かに言った。けれどもあれはなんというか撤回はしないまでも間違いだったとここにお詫びして訂正します。僕は夏が好きじゃない。ぐったりするから。口の中のあらゆる場所に口内炎ができて朝起きれず夜ブローカ野がオーバーヒートし肌は荒れ髪は抜け気持ちは荒み気力は抜けおちる。こんな季節をだれが好きになれるというのか。もういやだ。夏も菓子パンもこれきりにしたい。すこしつらいが仕方がない。楽しいこともあったけど、これらといると僕はどんどん僕を嫌いになっていく。そんなのお互いつらいでしょう。もう終わりにしましょう。お願いだから、終わらせてくれ、頼む。