2019.03.12

三年かあ。


この数日しきりに三年、三年、結婚して三年と唱えていて、この三年を懐かしく振り返る気持ちでいたら上京してからの九年を振り返り始めていて、かと思えば昨晩はモーニング娘。のMVを見だして、そのままMy Chemical RomanceGreen Day なんかも聴きだして、懐かしい懐かしいって、どこまででも遡るつもりのようだった。今朝に至っては花粉と疲れがとてもあって、「足も凍っちゃったし、鼻も凍っちゃったし、しっぽも凍っちゃったよ」というような気分だよ……と話し、奥さんになにそれと言われた。『101匹わんちゃん』だった。いまググると正確には「でも、くたびれたし、お腹減ったし、尻尾も氷みたいだし、鼻も凍ったし、耳も凍ったし、足も凍っちゃったよ……」らしい。めっちゃかわいい。実家ではこの台詞が大の人気で、みんな疲れてくると、しょんぼりと「足も凍っちゃったよ……」と口々に言い合ったものだった。このようにして幼稚園くらいまでどんどん思い出されていった。


今年の春で実家を出て十年目になる。十年前は高校生だったということで、これまでは高校卒業から何年、早いなあ! という気持ちだったが、ここにきてまだあれから十年しか隔たっていないのか、と驚く。高校生活というのは、もうすっかり昔のことというか、完璧に他人事のようだった。一人暮らしが四年半、シェアハウスで一年弱、奥さんと暮らし始めて三年半くらい、勘定がだいぶあやしいがそんなかんじで、あんなにも永く感じた一人暮らしの期間が占めるところがどんどん小さくなっていく。それでもやっぱり一人暮らしの四年半は大きくて、いまの自分を考えるとき、ここを起点に思い起こされることが多い。とはいえ、いまこうして幼稚園くらいまで遡っていくと、やっぱりなんだかんだ最初からずっと続いているんだよなと納得もする。奥さんが奥さんでも何でもない人として脇のほうにちらちらと登場してきたのが大学一年の夏くらいからだから、それから数えたら八年半くらいの月日が経っている、と考えるとこれはなんだかうひゃあとなる。あいかわらず先のことはまったく考えられないが、気がついたらどんどんここではないどこかへ流されていくことを知っているいまは、いちいちここではないどこかに憧れたりはしない。むしろ先行きに対しては心配事ばっかりだ。いつまでもビクビクそわそわ暮らしていくうちに、いまでは考えられないようなところに行き着いていくのだろう。それはそれでたぶん居心地がいいところだろう。そう楽観できるのも奥さんといるおかげだった。これからも不安と楽観を持ち合って、なるべくごきげんにやっていけたらとてもいい。