2020.02.16

慌てて起きだし支度。朝食は貰い物のバウムクーヘン。電車では久しぶりに『富士日記』。


東劇に『風の谷のナウシカ』のディレイ・ビューイングを見に行く。シネマ歌舞伎はいつだか『三人吉三』を見てカメラワークの趣味の合わなさに辟易として以来だったがやはりカメラワークの趣味の合わなさは健在だった。幕が開く前の口上での説明が見事で、そもそも中学生のころ読んでもトルメキア軍と土鬼との戦争であるという構図がそもそもわからない、なんだかワチャワチャしているうちに最初は悪い奴だと思っていたトルメキアにナウシカが従軍し、そのはずなのに相手方の土鬼にも味方っぽい奴がいて、周辺諸国との関係性も含めると誰と誰がなんのために戦っているのかもわからないままに読んでいた、特に物語を読者にとって善とされる側と、その対立者というような単純な二項対立でしか読む発想がなかったころに読んだものだから余計に分からない、それが明快にすっきり整理されていて、たぶん中学生の頃の僕でも理解ができる筋になっていた。良くも悪くも混沌とした原作の読解ガイドとしても優秀な作劇なのではないかと思った。クシャナ殿下の魅力を再現することにほとんど全てを注力する姿勢もいい。クシャナさまは歌舞伎にも映える。低気圧がえぐかったにも関わらず三時間ちゃんと観れて、さっそく後編の席を取った。


銀座の街に出るとすぐに具合が悪くなって、やはり低気圧はたいへんしんどい勾配を描いている。さっさと帰宅してヒロアカのアニメを見て耳郎ちゃんが輝き始めている、それは素晴らしいことだった。僕は文化祭篇がとても好きで、どれだけ耳郎ちゃんが素晴らしいかをヒロアカを知らない同居人に語って聞かせる最中に思わず涙ぐむほどだ。それでもやっぱり奥さんと二人でぐったりしてしまい、あまりおしゃべりもせずにナウシカの漫画を黙々と読んだり、RFA したり、ナウシカは僕は六巻まで一気に読んで、ほかのことが手に着かなかった。今読んでも筋を追うこと自体に集中力を要する作品で、しかし今読んだほうが絶対に面白い。お気に入りの買いたての白いスウェットに幕間に食べたおにぎりをこぼしていたらしく跡がついていた。かなり落ち込んだが奥さんの処置でなんとかなりそう。ついでに洗濯機を回す。夕食は麻婆豆腐。僕は奥さんの作る麻婆豆腐が大好きで、ご飯が一瞬で消える。何杯でもお替りして、無限に麻婆豆腐を載っけて食べることができてしまう。食後、奥さん氏、と呼び掛けて映像研の録画を見ようと提案するがきょうはもうちょっと集中しないでも見られるものをと他のを見て、ふーんと思って、寝た。