2020.04.17

仕事の合間に読み進めた『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』はPART1はべらぼうに面白かったのだけど、2は伊藤亜紗の予防と予備の話と安田登のお馴染みの講談くらいで、あとは聞いたような話というか、ビジネスやスピリチュアルに屈託なく持って行っちゃう感じになかなかノれなかった。『ナチスのキッチン』が利きすぎたかもしれない。あまりにも全体主義や、精神的な一体感に無防備ではないか、とうような読み方をしてしまった。それでせかせかと読了。

ちんたら読んでいたレムもあと一編。ノれなくても本は読めるが、どんどん消化試合じみてくる、と退勤後の散歩で奥さんと話していると、ソシャゲみたいだね、と言う。僕にとって本はソシャゲみたいなものだから間違いではない。

いまいちばんノリノリなのは『ラブひな』だった。『野生の思考』に本格的に取り掛かりたいが、まってくれ、いまは成瀬川と景太郎の行方がきになってしかたがない、『ラブひな』を終わらせないとレヴィ・ストロースに行けない、ともどかしく思っていると、お風呂上がりの団欒時に、いいから『ラブひな』読んで来いよ、と奥さんに格好よく送り出された。読み終わらないと落ち着かないんでしょ、そして読み終わらないと日記も書かないんでしょ、ここに待ってる読者がいるんですよ! そう言って奥さんは僕をマンガ図書館に送り出す。僕はこういう「ここは私に任せて先に行け!」という展開が、とても好きだ。単純に胸を熱くしてしまう。それで勇ましく取り掛かり、テロリストとして国家権力に追われながらもなお逃避行を続ける成瀬川を追う北海道でのカーチェイスは、まさに「ここは私に任せて先に行け!」という展開で、バカらしいがやっぱり熱くなり、それでくっついたのでもうよくなった。あと二冊あるが、まずは日記を書こう。『君に届け』も君に届いてからが長かった。僕は届いたところでせいせいして止めた。『ラブ☆コン』は届いてからが面白かった。届いてからの困難のほうが面白いに決まっているのだけど、少年漫画にそれは期待していない。ちゃんとした人間関係を描くなら少女漫画だった。まったく偏見だが。まさか二日も『ラブひな』の話を書くとは思わなかった。