2020.07.10(1-p.94)

アメリカ大都市の生と死』を始めかけて、一章読んで諦めそうだった。これも周辺の入門書でよくまとめられていて、そのエッセンスだけで僕は事足りてしまいそうだったというか、きちんと原典にあたるほど僕は都市に興味がないのかもしれない。

 

今朝はハインリッヒの『『資本論』の新しい読み方』。第四章。 ややハインリッヒが先行しながらもおおよそ並走する形で読むのがいいかもと思いつつ、いまのところハインリッヒがだいぶ先んじている。でも僕は入門が大好きなので、原典に片足踏み入れつつもまだ周辺で予習をしている。すでに知っていることが増えてきて、だいぶ入門した感じがある。「物象化」を軸に読んでいくのがかなり使えそうなのだけど、どうやらこれこそが新しさであるらしく、確かに高校生の頃に読んだマルクス入門みたいな本はもっぱら「唯物史観」や「疎外」をキーワードにしていたように思う。当時からこうしたキーワードにあまりピンとこなかった。今回ついにマルクス読むぞと思わされたきっかけである斎藤幸平も白井聡も「物象化」を中心にマルクスを読んでいて、たぶんだからこそアクチュアルな読みになっている予感がある。

大学生になってレヴィ=ストロースにハマって、構造主義をやるならマルクスだよね、と誰かに言われたのがずっと残っている。だから僕にとってのマルクスはまず「構造主義」であり、それは今もあんまり変わっていない。僕は今でも、外部環境から完全に独立した個人などというのはありえず、個人の行為や思念というのは自発的に為される以前に、環境や制度といった構造によって意識されないままに規定されている、という信条を持っている。 価値というのは、商品の交換の現場においてはじめて立ち現われるのだが、それは交換の主体者たちの意識的な調整を前提とせずに、その都度定位されるという価値形態論は、だから非常にしっくりくる。

 

きのうからポッドキャストマルクスづいている。渋谷陽一いとうせいこうの番組に白井聡がゲストで来ているのを聴いたり、これはYouTube だが、斎藤幸平と白井聡トークも聴いた。きょうはひたすらオムラジを聴いている。ポッドキャストのアプリから「マルクス」で検索したら出てきて、そうかオムラジもポッドキャストで聴けるのか! と今更気がついて、とりあえずH.A.B の松井さんが出ている回を聴く。H.A.B に本を買いに行きたいが、しばらくは営業のタイミングが合わなさそうだった。オムラジを聴いて寅さん観たさが増す。