2020.07.19(1-p.154)

待望の晴れた日曜日! 一説によれば晴天はじつに20日ぶりだという。一説というのは奥さんがTwitter で見かけたというものだ。昨晩からずっとニコニコしてて、奥さんに気味悪がられていたのだけど、きょうは一層ニコニコしていた。

この一ヶ月くらい、毎週末に全振りしている奥さんは、毎回ちがった素敵さで自分を着飾っていて、先週は強そうで格好よかった、きょうはロマンス寄りのエレガントでも老けて見えないが、テーマとのことで、白をベースにして大人っぽいのに可愛らしさが前面に出るコーディネートで、孔雀のピアスが陽光に照らされてちらちらと揺れていた。とてもいいね、と言う。なによりも、奥さんが自分の素敵さに満足しているのが伝わってくるのが嬉しかった。

 

成城石井で石濱匡雄&ユザーン監修のベンガリーカレーを買う。今日一日ずっと持ち歩いていた。

 

ひみつ堂の氷が食べたい、ということで出かけて行ったのだけど、嬉しい想定外で絶好の氷日和。汗をだらだら流しながら並んで、でも整理番号はまだ出ていない程度で、10分ほどで入れる。奥さんはスイカ氷、僕はほうじ茶ティラミス。毎回並んでまで食べるものなのか? と思いつつ並び、食べるとすごくおいしい! となる。奥さんは僕以上に並ぶのが嫌いなので、並ぶ時はよっぽどのことがないと並ばない。だからここの氷がおいしいことは信じ切っている。ただ、量はいつもちょっと多い。

さて、どうしようかねえ、と話しながら、そろそろ「長い一日」をもらいにBOOKS 青いカバに行きたいなあ、30分歩けば谷中からも行けるなあ、などと今朝話していたこともあって、奥さんが歩いてもいいよとの事だったので、うきうきと歩き出した。いい道で、楽しかった。ブックオフもあった。ちょうど最近大石トロンボさんがツイートしていたブックオフだと思う。最後の方の登り坂がきつくて、くじけかけた。

お店に着くと真っ先に新刊棚の『百年と一日』が飛び込んできて、ここで買おう! となる。そのあと『健康禍』という強烈なタイトルが飛び込んできて、帯には「イリッチ、フーコーラッセル、ミル、モンテーニュマーク・トウェイン…分野の壁を突き抜けて現代社会の矛盾に挑んだ医師、シュクラバーネク。忘れられた傑作が、四半世紀を経た今、復活の時を迎えた。」とあり、ぜったいに面白い、と思い、捲り、著者プロフィールの冒頭には「毒物学者、医師」とある。絶対に買う、となる。古本もわくわく見る。前回来たときにあったドゥルーズベケットの共著かなんかのやつがまだあったら買おうと思っていたけれどベケットはだいぶ減っていた。イリイチの『シャドウ・ワーク』があって、さっき『健康禍』の帯で名前見てちょうど思い出した本で、買うことにした。マルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュイメール一八日』も手に取って、太田出版の単行本で、柄谷行人の論文が併録されてるらしい。でかい帯のポップな装丁で、今夜はDだしな、とこれも買う。奥さんが棚を見ながら、マルクスはめっちゃ大手ジャンルだからたくさん薄い本があっていいね、と言った。わかる。奥さんはミュシャの図録を選んだ。それで、4以降のたくさんの「長い一日」と共にいただいた。

もう歩きたくない。バスに乗る。上野松坂屋前で降りる。せっかくここまできたのだから、と、バスに乗る前にチケットを予約しておいた東京国立博物館の常設展に。きれいな刀を見る。ソシャゲのおかげで修復が可能になった刀剣がたくさんある。でもいちばん深刻な後継者不足はどうにもならない。修行してもものになる刀工はごく僅かだから。そんな話を奥さんから聞いて、その場にも嬉しそうに一振りの刀に手を振って、大事そうに写真を撮る人がいて、フィクションを耽溺することからそうやって現実の世界が楽しくなっていくの、いいよね、と思った。

 

だいぶ歩いたので体力回復のためにサイゼリヤで軽食。注文がシート形式になっていた。

 

ヨドバシに寄って、ちゃちなマイクを試しに買ってみる。帰りにAmazon のページを検索してみると、ボロクソに書かれたレビューばかりで、期待が高まる。マイクに興味を持ったことがなかったので、まずは安いものじゃ全然ダメだということを思い知りたい。それでだんだん解像度を上げて、検索ワードも増やしていって、最終的にポッドキャストにすっかりハマったころにいいマイクに挑戦してみたい。いまの解像度だと、宝の持ち腐れだろう。

夜はベンガル。おいしい。羊肉の風味をシナモンやカルダモンの甘い香りがグッと引き立てていて、カイエンペッパーのピリリとした辛さが全体をまとめてる。すごく美味しかった。コメントは裏面の原材料表示を眺めて当てずっぽうで書いた。

きょうは二万歩歩いたらしい。奥さんは平日はずっと家にいるので、きょうだけで週の平均が三千歩にまで引き上げられたよ、えへへ、と言った。