2020.11.25(1-p.365)

通勤電車に揺られながら橋本亮二『本を抱えて会いにいく』。前作もそうだけれど、三〇手前ですでに友達を作る難しさを感じている僕なんかは、橋本さんのまっすぐな人付き合いが眩しくてしかたがない。読むと、橋本さんと友達になりたい、というよりは、僕も橋本さんのように友達を作っていきたい、と思わされる。屈託なく好きな人たちを好きだといい、その人との時間をにこにこと喜ぶ。嬉しいことには素直に嬉しいといい、しょげるときはしっかりしょげる。こんなに素直なまま、人はあれるんだな、というか、僕もそうだったかもしれない、特にこの春以来の僕は、むりに背伸びして、しかめ面をよしとしていたようなところがある。そうじゃなくて、喜びを全力で喜び、悲しみを静かに受け止める、こういう生き方がやっぱり一番かっこういいよ、となにか大事なことを思い出させてくれるような文章で、さいきんはロバート・クーヴァーの露悪的な文章を読んでゲヘゲヘ笑ったりしていたけれど、いま欲しかったのはこういう、真夏の河川敷のような気持ちの良い文章だったと思った。助かった。すごく、助けられた。

 

環ROY の新譜がすごくいい感じ。