2015.02.25

きょうは給料日。

 

家賃の振り込みがてら口座の残高を確認してみると、なにかのまちがいなんじゃないかという額が振り込まれていて、それは来月末のカードの支払いや奨学金返済諸々でとうとう収支がマイナスになっても、貯金を切り崩すことなくやっていけそうな額で、事情はよくわからないがとにかくこれで4月もお金がある。

 

しかし一体どういうことだろう。たしかに先月の残業はえぐかった。けれども残業代って、ちゃんと出るとこんなにもらえるものなのか。基本給だけでさっぱり残業はつかないから、これまで他の会社に行った同期の残業貴族ぶりを羨んでいたのを思い出す。彼らは確かに月々このくらいもらっていると言っていたっけ。

うきうきした気分で会社に行って明細をみてみるとなんのことはない。来月頭に定期がきれるのだった。間違いはやはり起こらなかった。うきうきした分のお金はきっかり通勤費でした。

 

まあもともと貯金を切り崩すつもりであったのだし、一瞬でも夢を見させてもらえた。がっくりはきたけれど、なぜだか気持ちは楽になったままだ。ここ一ヶ月半ほどの間気持ちを鬱いでいたお金の心配は、なんの解決もしないまま晴れてしまったようで、人の気持ちというのは不思議だ。

 

今日は夜までひたすら倉庫で仕事をして、くたびれて帰ってきたらよく家に遊びに来る僕の好きな二人がキーマカレーを作ってくれていた。うれしい。すげえ嬉しい。とっても美味しかった。

 

同居人の一人が細かくあいた穴からライトの光が漏れるだけの、簡単なつくりの小さなプラネタリウムを持って帰ってきていて、それで天井を照らしながら、学芸員っぽい口調と声音ででたらめな解説をして遊んだ。

にこにこと見守ってくれて、こういう他愛もない遊びが普通に受け入れられるこの空間はたまらなくありがたいなあ。

家を出たころから、欲しかったのはこういう場所だったのかもしれない。

 

シャワーを浴びながら、耳の横を流れていく水の音の合間から、漏れ聞こえて来るリビングの声を聞きながら、ふと、そんなことを思った。