2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2020.02.29

離陸して一〇分で富士山が見えたこと、その富士山がものすごく大きかったこと。久しぶりに帰宅したその日の食卓で僕は弾んだ声で話し続けて、奥さんのすぐそこにいることにはしゃいでいた。活きのいい若者が来たことで散歩に連れて行ってもらえるとはしゃぎ…

2020.02.28

自宅では奮発したマットレスやセミオーダーのまくらなどで睡眠環境をばっちり最適化しているので、出先での睡眠が満足なものになることが稀だ。今回も枕を取り換えてもらったりいろいろ工夫はしてみたものの、やはり眠りが浅くてへんな夢ばかり見るし、明け…

2020.02.27

高松に行くことがあった。 初日の夜は半空に行った。 ヘミングウェイの愛したブラッディメアリーを注文すると、グラスと一緒に『ヘミングウェイの酒』という本が一緒に差し出される。このページをお供にどうぞ、とのこと。楽しい。読むとヘミングウェイはブ…

2020.02.26

『戦う姫、働く少女』は批評される作品も八割がた接したことのあるものであることもあり、新しい作品への好奇心が掻き立てられないぶん、既知のものを未知のもののように見直すということがなされるのだが、その見直しの手つきもまた馴染み深いというか、「…

2020.02.25

イブニング・フェイス。『源氏物語』は一話完結型の連ドラのような構成なのだけど、ウツセミとの関係が並走していたり、話を重ねるごとに登場人物が増えて、人間関係の変数が多くなり、動きが出てくる。連ドラの構成の妙は紫式部によって既に完成されていた…

2020.02.24

引き続き「帚木」、毬矢まりえ+森山恵姉妹訳『源氏物語 A・ウェイリー版第1巻』。持ち運ぶには大きすぎるので、基本は家で読むことになりそう。リュックに常備できないとなると、家を空けることも多いので、毎日読むというふうにはならないはずで、自宅で寛…

2020.02.23

今日は同居人のお友達が来宅されるので久しぶりにちゃんと掃除や片付けをして居心地の良さをどんどん高めた。来客があると部屋が整うのでありがたい。溢れに溢れていた本を棚に収め、納めるために来月手放したい本を抜いていく。分かってはいたが、この一ヶ…

2020.02.22

朝起きると奥さんはまだすやすや眠っているようで、起こさないように布団の中で静かに「読書日記」を読む。たくさん文字があるから、毎週三〇分だか四〇分はかかる。廊下からは同居人の話し声が聞こえる。独り言ではまさかないだろう。電話だろうか。でもわ…

2020.02.21

プルースト以後、日々の読書のリズムを支えるのは『富士日記』なのだけど、毎日読むということはなく、読むものがうっかりなくなってしまった時や何が読みたいのかわからないときのためにリュックに常備しているというもので、今月については武田に代わって…

2020.02.20

午前中に届く予定の三刷を待ちながら、掃除と洗濯と運動と亀の水槽の水換えを行う予定があんがい早くに届いたので開封と検品と段ボールをつぶすのが掃除と洗濯と運動と亀を洗うのが並行して行われ、さらには軽食の支度と摂取もなされた。三個口で届いた、二…

2020.02.19

カディブックスは、 簡素に、身軽に、ゆるやかに、 力を使わず、お金を使わず、 常に変わり続けることを方針にする 小さな出版社です。 昨晩『本屋、はじめました』を読み終え、いい本だった。『これからの本屋読本』が書店開業の実践の具体的な手引きである…

2020.02.18

あたらしく寝つきがよくなる漢方を服むようになってから ──いやここに因果関係があるかはわからない、春に向けて気圧も気温も不安定で静かにしていたって気が滅入ってしまう時期なのだから── 夢見がよくない。奥さんもそうらしい。きのうは夫婦でお尻をプリ…

2020.02.17

朝はぼんやりTwitter など見ていて、雑な認識のまま差別意識を垂れ流すダサい映画の周辺の言説の、特に推しだからと無条件に金銭的な支援をしてしまいがちなファンの心理の無邪気なダメさについてモヤモヤと考えたりしていた。うまく言語化できないというか…

2020.02.16

慌てて起きだし支度。朝食は貰い物のバウムクーヘン。電車では久しぶりに『富士日記』。 東劇に『風の谷のナウシカ』のディレイ・ビューイングを見に行く。シネマ歌舞伎はいつだか『三人吉三』を見てカメラワークの趣味の合わなさに辟易として以来だったがや…

2020.02.15

久しぶりに用事があって三田線に乗る。僕がこれまでに使ったことのあるなかで一番嫌いな路線だ。この沿線に、奥さんへの呼びかけが「奥さん」でなく「ねえ」とか「あのお」であった頃から、役所に紙切れ出した後もしばらく、三年半くらい住んだ。僕らの生活…

2020.02.14

きのう休んだからか、気圧が安定しているからか、まさか労働が忙しかったからか、きょうはわりと元気というほどでもないけれど元気がないというわけでもなく、『未明の闘争』は山下公園のところがやっぱり楽しかったが記憶のなかでだいぶ盛られているらしく…

2020.02.13

本当に今週はだめで、体調も悪ければ気分も塞ぐ。勤労意欲は普段から低いが今は壊滅的だ。毎晩きょうこそは帰宅したら、僕は意味もなくただただ悲しいのでとにかく五分間抱き締めてくれないか、とお願いしようと思うのだけど、帰ると奥さんの顔を見るだけで…

2020.02.12

昨晩から非常に具合が悪く、でも『ドロヘドロ』を楽しく見たり、同居人特製のパフェを食べたりと楽しく過ごしもした。寝る前に足を揉んでもらって、僕は足を揉まれると大きな声が出るから恥ずかしくてよそで揉んでもらうことができないでいる。おかげでだい…

2020.02.11

相手だってはじめからそんなことは期待していないわけだが、私はそのとき泊まっていけよと言えないことを背信行為のように感じた。私がそう感じていたことをそいつは察して、「いや、いいんだ、いいんだ。」「気にするな。いいよ、いいよ。」と何度も何度も…

2020.02.10

今朝は奥さんが久しぶりにカー、クー、といびきをかいていた、目を覚ましそうにないのでそのまま家を出ようとしたら後ろから、いってらっしゃい、と声が聞こえて、布団からすこし身を乗り出して奥さんは声をかけてくれた、僕はもう半分外に乗り出していたの…

2020.02.09

小説が続いていたからか『未明の闘争』が読み返したくなって、本棚から引き抜くと13年の初版に宛名とサインがある。三軒茶屋の人参みたいなビルで湯浅学とボブ・ディランの話をしているのを聴きに行って、そこでもらったのだった。これをリュックに入れてい…

2020.02.08

図書館で本を借りるようになったのは奥さんと暮らし始めてからで、だから五年弱のことだった。読書記録もそのころから付けはじめ、それは書き留めておかないと手許に本が残らずあっという間に忘れてしまうからだった。読了リストはそのまま本棚を眺めるよう…

2020.02.07

今日もとても寒い。家を出て五分も歩くと、足の指の感覚はとっくに冷たいから痛いに変わっていた。それできのう読んでいたボラーニョの「雪」を思い出していた。 今朝からはエンリーケ・ビラ=マタス。書かなかった作家たちの話。バートルビーの徹底的な「否…

2020.02.06

午前中にRFA での運動を済ませておいた。図書館に行くつもりが行きそびれた。お土産でもらったアメリカのチョコレートを食べたらお昼を抜いてもよくなった。それで食べずに作業し三刷の入稿を行った。 昼過ぎに学芸大学に着く。SUNNY に追加納品。納品に来て…

2020.02.05

鈍器会でも褒めそやされていたボラーニョ『通話』を始める。「センシニ」は確かにとてもよくって、朝から静かな気持ちになった。挫折一歩手前でくすぶる青春を描くのがほんとうに巧い。 体調はかなり悪くて、仕事の時間をかなり切り詰めてなるべく心身を労わ…

2020.02.04

『お家賃ですけど』が好きだったなあ、という感覚だけが残っていて内容はさっぱり覚えていなかったので昨日は帰ってから本棚から引き抜いて読みだした。ご飯やRFA やお風呂を挟みつつ、あっという間に七割くらい読んでしまって、軽やかだった。テキストサイ…

2020.02.03

僕は能町みね子は『お家賃ですけど』が大好きで、だから『結婚の奴』はその続編のようにも読めて嬉しかった。恋愛と性愛が不可分のものであるような価値観への違和を僕はずっと感じていて、だから嫉妬や理想の押し付けや過度な自己投影といった恋愛の専売特…

2020.02.02

国家的母性とはふるさとであり、自然であり、伝統であり、つまり国の精神が実体化したものである。したがってお国のために死んで無になるということは、自我の目覚めによって母の抱擁から離れた子供が再び母の胸に戻って、永遠に一体化するということだ。こ…

2020.02.01

小一時間しかいられなかったけれど、本屋博は楽しかった。お祭りのブースはお店と較べてもちろんスペースが限られていて、品数はそう多くない。そんななかに『プルーストを読む生活1』を選んでもらえたことが嬉しくて、各店挨拶に回る。挨拶と共にウルフや…