2020.06.07

朝目が覚めて、布団の中できょうの過ごし方を会議する。結果、ジャームッシュを観に行くことになった。チケットを取る。席は一つ空けて出ないと取れない。起き出して、貸してもらった『ゴールデンカムイ』の21巻を読む。べらぼうに面白い。Twitter を開くと「書物の変!」というイベントがあるのを知る。オンラインでの文フリみたいなもので、楽しそうだったので、友田さんが店番しているであろう「代わりに読む人」のspatial.chat にお邪魔して、出かける時間までおしゃべり。僕も参加すればよかったな、と思ったけれど、『プルーストを読む生活』も置いていただけていて嬉しかった。本の話をするのは楽しくて、半時間ほどだったけれどもほくほくした。

 

歩いてシネコンのあるショッピングセンターに向かう。入場口のサーモグラフィーに奥さんが、これがそうかあ、と感心していた。フードコートでお昼を食べて、小さな人たちが沢山いた。劇場に入るところでも再度検温があって、こちらはカメラの前に立つと体温を表示してくれる。36度0分。奥さんは36度1分。

幕前のうさぎの紙芝居が憎いほど嫌いなので、それが終わるまで廊下でおしゃべり。奥さんは背が低いので、いつも映画館の椅子の頭を乗せるところが頭上にあってそれで窮屈な思いをして具合が悪い。そこで今回は人も少なそうだし席も最後列の一個手前なので、チャイルドシートを試すことにした。ダメなら僕との間にいっこ空ける席に置いておいてもいい。それで試してみて、すごく快適そうだった。僕も嬉しかった。映画は予告編がひとつしかなくて、快適だった。『デッド・ドント・ダイ』は、待望したぶんちゃんと肩透かし食らわせてくれる最高の映画で、ずっと笑っていた。楽しかった。家にいる時、芸術や文化の必要性をちゃんと社会に示さなければいけない、みたいな論をいくつもみて、ぐったりしてしまった。こうして、まじでどうしようもない、無用でただただ最高なモノを観て、そうだよこれでいいじゃんね、と嬉しくなった。ゾンビ映画に慣れていない奥さんは、腸から飛び出る脂肪分のプリプリ具合にヒイッと声を出していた。終わってから、音響にこだわりのある人のつくる人体咀嚼音はわりときつい、とこぼした。外に出てまだ明るいので、妙だな、と言う。妙じゃないよまだ昼だし、と奥さんは返す。でも、たしかに映画見終わってまだ外が明るいとへんな感じ。これから買い物に行く親子の小さい方が、きょうもサーモグラフィー? と大きい方に尋ねていた。あんな深夜テンションで見るべき映画を観た後だと尚更だね、と応える。コンビニでドーナツを買って帰る。まだコーヒーを飲んでも問題ない時間だからだ。

 

それでサントラを聴きながら、コーヒーを飲む。「書物の変!」は終わってしまっていた。もうすこし余裕があったらまたspatial.chat にお邪魔したかった。spatial.chat での行商は楽しそうで、そこにゴザを敷いてのらくら待っていると、誰かしらがふらっとやってくる、というのがよかった。近いうちに僕もやってみたい。

夜は手巻き寿司パーティー

夏目大さんが『2』もYouTube で紹介してくださっていて嬉しい。読んで欲しいところをいい感じにお話ししてくださり、そのまとめ方と話し方の巧みさに、ははあ! となる。