2020.08.06(1-p.204)

さいきんはもっぱら『パワプロクンポケット4』だった。「野球」モードで、ひたすら打撃の練習をしている。投げるのや守るのはかったるいので、いまはひたすら打つとこだけ遊んでいる。ようやくホームランが出るようになってきたが、理屈はさっぱりわかっていない。なんとなくAボタンをポチポチしている。打てたら楽しいし、打てても高く飛ばし過ぎてアウトになるとムカつく。野球はすぐに感情的になるんだな、などと、知ったような顔をする。

 

久しぶりにマルクス。有名なやつがたくさん出てくる。噂のW-G-W。ご存知「命がけの飛躍」。のったりのったり、マルクスは卑近な例で複雑な事象をなるべく単純化して、図式的にすごくわかりやすく教えてくれる。新書っぽい論の運びに思える。うかうか目を滑らせなければ、読める。

 

あとはバランスをとるかのようにジョセフ・ヒース『資本主義が嫌いな人のための経済学』。面白いんだけど眠くなってくる。経済の話に飽きてきた。かといって、ほかに読みたいものがあるでもなく、漫然とパワプロ。僕は全然野球がわからないが、こうして疑似的にでもわかろうとするのは楽しい。とりあえず走るのは反時計回りっぽい。いつかSUNNY BOY BOOKS で買った平出隆『ベースボールの詩学』が楽しくなるといいな、と思っている。

 

『プロメア』をAmazonPrimeで観るも、ぜんぜん面白くなくて、ぐったりした。奥さんとのおしゃべりで、なにがダメだったかがよくわかった。奥さんはピザ屋のおっちゃんと青年の扱い、そこで主人公の発する「バーニッシュはともかく」という台詞で決定的にダメだった、という話で、すごくよくわかった。すごくよくわかったのでさも自分の感想のように日記に残しておく。奥さんの理知の盗用。ヒロインズ。

ちゃんと描く気がないなら安易に民族問題を扱うなよ、というのが骨子で、他民族を同じ人間として扱わない描写が胸糞悪いし、それはまだ物語を雑に盛り上げる要素として理解できるにしても、主人公に「バーニッシュはともかく」と言わせるのはクソだ。それが現実的なふるまいということなのであれば、そうしたクソみたいな現状認識に中指を立てるのがエンタメの役割だし、そういう意味でピザ屋の二人こそが「ヒーロー」の振る舞いなのだが、彼らの未来が描かれることはない。ただ道具的に消えていく。

「異民族」であるバーニッシュから血が出ないというのも最悪で、より一層人間が人間を人間扱いしないという暴力の醜悪さが脱臭されてしまっている。 全体的に「清潔」すぎて、人間を燃料として消費しつくす大量虐殺のグロテスクさに対して、頭の軽いフィクションだからでスルーしきれないおぞましさを感じてしまう。 そういうことだった。

 

口直しに『US』を観る。楽しかった。かったるい部分も含めて、僕は好きだった。ジョーダン・ピールはM・ナイト・シャマランなので、スマートなアイデア一発勝負みたいな印象に負けずに、オールドスクールな作劇と画作りの巧さに磨きをかけていってほしい。