2019.12.12

午前、日記本の増刷に向けた修正作業も終わり、入稿。夕方にはデータの確認が終わり問題がなかったこと、七営業日後には出荷されるとの連絡が来てほっとする。けれども入稿データが正しいものだったかとか、実際に刷り上がってくるものが盛大に事故っていたら、だとか、不安な気持ちはますます募るようだった。

 

Netflix で『マリッジ・ストーリー』を観る。ノア・バームバックは『イカとクジラ』に衝撃を受けて以来大好きな作家で、『マーゴット・ウェディング』も大好きで『フランシス・ハ』はそこそこ、という感じなので、大喜びで観て、予想の100億倍よくて、あまりのよさにびっくりしていると一日が終わった。主演の二人共があまりにもすごい。弁護士事務所でのスカーレット・ヨハンソンの語りのシーンだけで十全に映画だっった。こんなにもいい作品がまだまだ撮られ続けている。それは希望そのものと言ってよかった。

 

来月の読書会に向けて『2666』を始める。百ページそこそこ読んで、重くて家でしか読まないだろうから、間に合うかギリギリかもしれない。学生最後の日々に、これが最後かもしれないと大真面目に思い込み、縋るように読んでいたことを思い出す。あのときは我が事のように切実だったペルチエとエスピノーサの〈愛してほしい、愛させてほしい〉という文句はいまでもヒリヒリと思い出す。それはともかくやっぱりとっても楽しく読んでいて、だらだらと豊かな枝葉ばかりが広がっていくような小説は気持ちがいいなあ! と思う。

奥さんが会社から帰ってきて、この日記を書いている間に『富士日記』の好きな日をいくつか読んでもらう。