2019.12.29

奥さんは中学時代からの友だちの結婚式。目覚めに『リング フィットアドベンチャー』を交互にやって、奥さんがフィットネスしているあいだは横で『2666』を読んでいた。ルシア・ベルリンと併読していると、あまりに粗雑に扱われていく女たちの生が一人一人生々しく立ち上がってくるようで、このくらい雑にというか粗悪な状況で読まないとやられてしまいそうだった。

運動後、奥さんは髪も化粧も衣装まで自分でアレンジするとのことで忙しく立ち動く。僕は一足先に家を出て、奥さんが自分を自分でとびきり綺麗ですてきになる様を見届けられず残念だった。

 

学芸大学で納品。SUNNY BOY BOOKS は、行くたびに「助かった」とほとんど救いのような気持ちで感じるお店で、行くたびに小さい声の美しさにハッとする。日々の生活をやっていくためのアジールというか、お守りのようなお店。箕輪麻紀子さんの『ESCAPE』と出会ったのもここで、だから置いていただけるとなったときものすごく嬉しかった。グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』を手に取って、真っ先に目に飛び込んできたエピグラフに、なぜだかカラカラと笑い出すような気持ちになった。

 

“真実はあなたを自由にする。でも最初はムカつく。”

 

いいなあ! そして買うことに決めた。僕はふだん画集や詩歌を買うことはないのだけど、ここだとなぜだか買おうと思うみたいで面白い。間芝勇輔、仲西森奈と手に取られ、カナイフユキのZINE もレジに持っていく。毎回、苦手だなとは思わなくてもなんだか気後れして敬遠してしまうような本をこそ、背中を押されるようにして買ってしまう。そのたびに、なんだかすこし勇敢になったような気持ちになる。『ヒロインズ』のダイアリストたちのように? それはわからない。

 

嬉しい気持ちでブックオフで『ストリート ファイターⅤ』を買う。『リングフィット  アドベンチャー』は己の肉体を駆使するのでどれだけ遊びたくても10分でへばってしまう。その欲求不満をバーチャルな肉体で満たそうという魂胆だった。ファイヤーダンス失敗がnote で楽しい楽しいと書いているのを読んでからずっと気になっていた。

平均律でコーヒーとチーズケーキ、さっそくグレイソン・ペリーを始めて、イギリスの笑いがやっぱり好きなんだよな、と思う。

 

帰ってストファイ。ロードが長くてびっくりするが、『2666』があるから大丈夫。マッチョじゃないのがいいな、と選んだキャラが千葉繁で嬉しくなった。素人にはピーキー過ぎそうだけれど、こいつでいきたい。

帰ってきた奥さんは、やっぱりとても素敵だった。たくさん泣いたらしく、よかったねえ、と話しながら『東京ゴッドファーザー』をみんなで観た。