2020.01.08

俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった

 

金髪のジェンダー意識最悪泣き虫野郎が無理すぎて視聴をやめていた『鬼滅の刃』を、ひとりごはんの手持ち無沙汰に再開したら上記の台詞に出会い文字通り噴飯し、そしてとうとうこの作品めちゃくちゃ面白いのではと思えた。ジャンプの漫画の主人公は大抵サイコパスだが、この長男はすごい。鬼だろうが年上だろうがまとめてみんなの長男を引き受けてしまう。こういうバグった倫理観で表面上いい話のようなテンションでやはり破綻しきった行動を重ねていくナンセンスが僕はわりと好きで、だからこれからもこんな素晴らしい台詞に出会えるのなら目が離せないなと思ってついつい先を見てしまう。どこまでギャグのつもりでどこまでシリアスなつもりなのか判断がつかない、この不安こそが醍醐味だった。思えば僕のジャンプといえば『シャーマンキング』で、あれもどこまでマジでどこから冗談なのか判断できない変な漫画で大好きだった。しかし『鬼滅の刃』はおそらく好きにはなれなさそうで、ひとえにあの金髪が無理だからだ。

 

秋田への納品分を梱包して投函。無事に届くのを確認できるまでどきどきすることになる。

 

「犯罪の部」をどんどん読んで、具合が悪いのも相まってどんどん気分が塞ぐ。しかし「犯罪の部」って、酷いだけじゃなくてちゃんと面白いので読めてしまう。この、酷いのに読んじゃう、しかもその読んじゃう感じは凄惨な事件のWikiをググっちゃうような下卑た好奇心をくすぐられるからでなく、酷いものはただ酷くて気分が塞ぐのにそれとは関係なしに読まされてしまう、この内容の凄惨さと関係なくドライヴする小説自体の運動の面白さというところにボラーニョの凄みがある。どうだろう、俺は長男だから読めるけど、次男だったら我慢できなかったかもしれない。