2020.11.07(1-p.325)

箕輪さんの絵を観にSUNNY BOY BOOKS へ行く。久しぶりの学芸大学。BISTRO SARU でカチョエペペを食べてから、ほこほこと歩いていく。ここの本棚はずっと見てられる、と思いながらずっと見ていて、展示もとてもよくて、箕輪さんの絵はこのお店で見つけたし、それからも本屋で見ているから、本のある空間によく似合う絵だと思っていた。静かで、どこか心細いような、そのうえで内面はだいたい明るくて賑やかな感じもする、そんな絵で、好きだった。レジで高橋さんに、あれ、と言う顔で見られて、あっ柿内です、と言って、そのあと僕はこんにちはと言っただろうか、たぶん言えてない。挨拶もできないやつだということだった。ここから徒歩三十秒のとこに新しい本屋さんが出来ましたよ、と高橋さんに教えてもらう。外で、お店の窓に絵を描いていた箕輪さんにもこんにちはして、サインをいただく。あ、柿内さんだったんですね、とニコニコとサインを書いてくださって、僕はいつぞやはありがとうございました、とへらへらしていた。こういう時、ちょうどいいお喋りの具合にいつも悩む。
後から気がついたがキャップを被ってマスクもしていて顔のほとんどが隠れているので、よく見知った人でもこれでは見分けがつかないだろう。そんなことに今さら気がつく。
BOOK AND SONS はとてもオシャレな感じの建物で、置いている本もタイポグラフィや写真集や、格好のいいものばかりだった。平野甲賀の本を出していて、平野甲賀の展示をやっていた。僕は平野甲賀を名前は知らなかったがその文字はよく知っていた。深夜特急の人だ、と僕が言うと奥さんは椎名誠の人だねと言った。最近のぼくとしては小島信夫の人で、展示してある本も買えるということで『静温な日々』の綺麗な函入り布張りの本を買う。
 
それから新宿で買い物をして、満員の映画館で『鬼滅の刃』を観た。満員の劇場というのはそれだけでいいものだった。