2020.04.18

ABC の通販で買った渡邉康太郎の『コンテクストデザイン』を読む。note で面白かったもの。全体を通して組版が謎で、節のはじめの段落だけ一文字下げてない。最初はミスかと思ったが全部そうで、そうかと思うと終盤になって一文字下げていて、文字の組み方への信用ならなさから内容がほとんど入ってこなかった。無駄なもの、半端なものをこそつくる。余白のデザイン。そういう話は面白かったはずなのだけど。文字の組み方や、図版のページ指示がズレているのは、不完全という言葉の肯定で肯定しきれるものでなく、単に雑だな、と思ってしまった。

 

スタニスワフ・レム『完全な真空』をようやく読了。全部読まなくてもいいか、と通勤中のTwitter代わりに開いて一編ずつ進めていたが、ちゃんと通読してよかった! と思うくらい最後の二編が楽しかった。

 

土日は奥さんと遊んで本は控えようと思っていたのに、すごい雨で、気圧で、ふたりしてぐったりしており、なので本を読んでいた。体調の良し悪しに関係なく読めるのですごいな、と僕も思う。気が滅入るような時、弱っているような時、真っ先に読めなくなるというのが感覚としては無理がない気がするというか僕もそうだったはずだ。いまはむしろ本を読む以外のことにエネルギーが要る。

 

僕たちのとって皿洗いの話は鬼門で、しかし昨日は二人してぐったりしていたのでうっかり泥沼に入りかけたというか入った。奥さんにとって食器を雑に扱われるのは、本を雑に扱われるとき僕が感じるのと同じくらい苦痛だ、という話。それは非常に苦痛だろうと思って、でも僕は食器は本じゃないので相当気をつけていないと雑になる。どうすればいいのか毎回わからないというか、理屈でわかったところで振る舞いは根深く変更が効かない。苦し紛れに提案した解決策に合わせて水場と拭きあげの分担を交換してみたら非常にうまくいって、二人はすっかりごきげんになった。ちゃんと言語化して、仮説を立て、検証までするから僕たちはえらい。