2020.07.15(1-p.127)

魂の安寧のために『ミッドナイトゴスペル』の7話と8話を観て、最高だった。きょうは電車に乗る日だったのでマルクスが読まれた。

 

へぼなのでWi-Fi も何も持たずに家を出てしまった。もろもろの充電もし損ねている。長雨が続くのは大げさでなく生活にきたす支障がでかすぎる。マルクスの進みもちょびっと。でもやっぱり読むと面白くて、一文一文を反芻し、吟味するように読んでいく。商品の話は難しい、とマルクス自身が書いている通り、ややこしい議論がじりじりと進んでいく。ハードルの高い議論を、いちばん最初に持ってくること。慣らしのないままに全力で走らせること。読者への信頼というか、読む側が無理してついてこい、という態度が気持ちいい。受け手に対する親切さばかりがことさらに善とされる風潮にはいつまでも否と言いたい。受け手側にだって努力が必要に決まってる。なんの面倒もしんどさもないままに受け取れるものの楽チンさにももちろんよさはあるが、それ以外のよさをすべて無視できるほどのものではない。面倒や困難というのは、適量を守れば楽しさを増強するものだ。