2020.10.23(1-p.325)

ランチくらいしか楽しみがないので雨のなか埋立地の工場街を片道20分かけて歩くのも厭わない。そうまでしてもバカでかいイオンしかない。バカでかいイオンの想定する「家族」はいつまで経っても他人事というか絵空事のようだけど、地方都市出身者としてだだっ広いファミリーサイズにどこか安心するようなところもある。
しかし都内で地方都市のような暮らしをするというのは「金持ち」のやることだというのが、どこもべらぼうに高いフードコートの看板を見ているとわかる。はあ。
育ってきた町ではむしろ金もかけずに野暮ったいような居心地のよさを覚えていた生活の仕方が、東京にいると手の届かない贅沢のように思えるというねじれにこそ、都会ばかりが資本主義と重ね合わされがちな原因がありそうだ。田舎の金持ちの生活は雲の上にあるが、東京の金持ちの生活は田舎者が親しんできたそれにあまりに似ている。知らないものを妬んだりするのは難しいが、知っている事柄については簡単だ。 俺たちも知らないわけじゃない「ふつう」がなぜ手に入らない? というような。

 

今夜は奥さんが外泊というか帰省中なので、つまらない。