2020.10.25(1-p.325)

わりと忙しい一日。仕事を終えて、奥さんと飲みに行く。久しぶりに体調が良くて、ちゃんと「いる」。それで奥さんはお店に向かう道中から嬉しそうで、ぶんぶんと振られる尻尾が見えるようだった。とても可愛らしく、この可愛らしさを抑え込んでしまったこの半月ほどの僕の余裕のなさが情けなく、けれども過ぎた自分の至らなさよりも目の前のこの可愛らしい人の愛くるしさだけがその時はすべてだった。僕が元気な時、奥さんも嬉しい。奥さんが嬉しいと、僕も嬉しい。僕が元気がない時、奥さんはぐったりする。奥さんがぐったりすると、僕はぐったりする。いいことも悪いこともそうやって簡単にフィードバックループが引き起こされるのが人と生活をしていくということで、それは気をつけて自立していれば回避できると言うものでもなく人は否応なく身の回りのものや人から影響を受けながらその日その日の自分を形作っていく。

 

日中にオリュンポスをクリアした僕はようやくネタバレを気にせず奥さんとFGO の話ができる。奥さんはそういうFGO の考察をちゃんと書いておいて欲しい、今の日記を読んでいるとやっぱりソシャゲは知性の敵で、語彙が減っていくばかりのように思えてしまう、と不平を言った。確かに僕はこの日記ではネロが欲しいしか言っていない。僕はこれまでに好きになったのはネロの他だとオルガマリー所長、ゴンドルフ新所長、そして桜シリーズの子達で、HF まで履修した今、僕の好みと運営の意図とがきれいに一致していることに、われながら僕は読み手としていい嗅覚を持っているな、とまんざらでもなかった。それでぴゃーぴゃーと奥さんとおしゃべりをして、でもたぶんそこでおしゃべりをしてしまうからこうしてわざわざ文字にすることが面倒になるというか、あまり意味を感じないのかもしれない。

僕はもちろん文字の方がキザっぽい。喋る時は照れなのかなんなのか、ちょっとおちゃらけたり冷やかしたりするようにして喋る。まじめというか、真剣な顔をして格好いいことをいうのは、僕は文字だと平気でできてしまうが声にするのは難しいらしい。自分で録音もしてみると、菊地成孔の凄さがよくわかる。あんなに気障ったらしく一人で喋れるものではない。