2020.10.31(1-p.325)

束の間のお休み。西荻窪へ。久しぶりのSPOON で美味しいカレー、前菜セットにして、ワインまでつけちゃう。ワインには弱いので、ふたりともふわふわとする。湿気も少なく、日差しがまっすぐに目に届く。アイラインをばっちり引いて睫毛も逆立てた奥さんはすこし頭が痛そうだった。
念願の本屋ロカンタンに行く。SPOON の順番待ちの間に下調べのつもりでオンラインストアを覗くと『アーレントマルクス』がある! 先日の青木さんと百木さんのイベントで気になりつつも版元在庫なしで諦めていた本だった。ドキドキしながらお店に向かって、こうしてる間にもオンラインで全部売れちゃうかもしらない、とやきもきしながら見つけて、嬉しい。映画の本とディスクが充実していて、『マル秘色情メス市場』のDVD を買うか一瞬迷いつつ、結局は古書の庄野潤三が取られて、題は野菜讃歌とあった。いいタイトル。店主の萩野さんは『アーレントマルクス』を見て、レジで嬉しそうに声を上げた。こんないい本は重版してもらわなきゃね、だからここでしっかり売っていきたいんです、とおっしゃっていて、よかった。読むのが楽しみだ。
BREWBOOKS に向かって、店主の尾崎さんにこんにちはして、納品。二周年とのことで、めでたい。開店してままない頃だったはずだけど、その時ここで『心のクウェート』を買ったのだ、みたいな話をして、フジモトマサルやビールの本を買って、2階でビールとおつまみをいただきつつ、本をかわるがわる開き、うとうととしていた。いつ来ても隣の公園から嬌声が漏れ聞こえてきて、それがなんともいい心地だった。男の子はどうしてもドロケイがしたい。三回くらい元気いっぱいに提案して、めげなかった。おれやっぱりドロケイがしたいなあ!
他に移動するかどうしようか迷っていたけれど、気がついたら夕方だったのでこのまま西荻窪を散歩することにしてFALL に向かう。この前岸波さんとお話しした時くら「雑貨の終わり』はここで買うと決めていた。間柴さんのオブジェも一緒に買う。何年前なのだろうか、僕がまだFALL をFALL と認識せずただ西荻窪を散歩する中でふらっと立ち寄ったいい雑貨屋だったとき、展示をしていたのが間柴さんだった。いまではSUNNY BOY BOOKS を経て好きな作家であるがその時はまだ名前も知らない作家の作ったものを感じがいいなと眺めていたのをいまでも覚えている。その間柴さんのちっこい立体も一緒に買った。三品さんはコクヨ野外学習センターのポッドキャストで聞いた通りの声で、一言二言間柴さんの話を聞かせてくれた。
荷物も増えてきて、お茶にしようとこけし屋を覗くとカフェは時間外で、台湾茶のお店は感染症対応でカフェを閉めていた。諦めて歩いてみたがウレシカも休みで、メテオは今日はちょっと違った。
てきとうに甘いもの、と思って群言堂のカフェで休むと疲れがどっときて、諦めて帰った。帰りにバブのいいのを買って、お風呂入って奥さんにマッサージしてもらい、近所のファミレスでてきとうに夕飯を済ませる。お風呂とマッサージで僕は復活したらしく調子良く理知的にしゃべる。きょうは僕のお買い物につきあわせるばかりで、そのくせ気の利いたおしゃべりも出来なかったけど、ここにきて楽しく面白い話ができたねえ、と満足げに言うと、奥さんはにっこり笑って足を揉んだ甲斐があったわ、と言った。