2020.06.02

引き続きモダンな経済に付き合う。息抜きに料理道具の歴史。どちらもイノベーションとは何か、という話として読める。技術によって道具が変わり、道具によって使用者が変わる。感覚も、骨格も。僕らは何世代も前の人たちの本を読んでわかる気がするけれど、そうした書き手の環世界とどれほど隔たっているのだろう。

 

家にいるとあんまお喋りしないね、と奥さんは言った。

部屋の中は静かなので、余計に最初の一言を出すハードルがある、それに応答が芳しくなかったときのいたたまれなさもひとしおだった。散歩に出ると話し出すので、脚を動かさないと口が動かないようだった。それで思い出すのが僕は学生時代まで非常に手ぶりがうるさかったというか、手をぶんぶん振りながらどんどん喋っていたが、会社員になって流石に控えるように訓練した。その結果わりと無口になっていたようにも思う。とにかく手足の動きが口と連動しているのだろう。そんな話を奥さんとするのも、やっぱり夜になってから散歩に出た時だった。家を出た瞬間から話し出していて、わかりやすいにも程がある。トイレットペーパーとティッシュを買って帰る。

 

さいきんエレベーターが臭かったのだけど、ようやくマシになってきた。