2020.06.10

朝起きて『MOMENT』をポチる。置いている本屋さんになかなか出かけられなさそうだったので。


フェルプス爺さん佳境。ようやく面白くなってきたと言うか、やっぱり僕はお金の話は苦手で、アリストテレス以降の人文知を参照しながら経済学者なりのウェルビーイング論が語られ始めてからの面白さのほうが馴染みがある。資本主義を肯定しようが嫌おうが、どちらもウェルビーイングについての意見は一致しているようなのが面白い。その条件として、どうしたって経済があるという認識だって同じだ。資本主義を方法と捉えるか、諸悪の根源と捉えるかのちがいでしかないのかもしれない。


緊急事態のあいだは僕は政治のことが知りたくてそういう本を読んでいたが、宣言が明けそうだ、となってからはお金について考えたいようで──政治経済学部という区分の意味を最近ようやく実感している──フェルプス爺さんの次はフェリックス・マーティン『21世紀の貨幣論』か、もしくはみすずの流れに乗って『みんなにお金を配ったら』か『金持ち課税』、あるいはすこし趣向を変えてイツァーク・ギルボア『合理的選択』にしようかという感じだった。


息抜きに國分功一朗が爆笑したとツイートしていた『武器としての「資本論」』も読みたいので帰りに本屋に寄って買って帰るつもりで、ついでなので『資本論』の各翻訳の読み較べもしてみたかった。新日本出版社の新版がちょうど今でているところだが、どうしても党派性みたいなのを感じてしまって何となく敬遠しているがこれは先入観で損しているだろうか。検索してみた感じだと僕は国民文庫版がしっくりきそうな気がするが、手に入りやすさだけでいうなら岩波文庫版でも悪くはない。とにかく第一部だけの抄訳でなく未完の第三部まで全訳さているのがいい、というのだけ決まっていた。そうなるとこの三者の比較だった。

『武器としての「資本論」』では岩波版を使っているみたいだけれど、読んでみた感じ国民文庫版が読みやすそうではあった。

フェルプス爺さんの長い話が終わった! 開放感がすごい!