2020.11.14(1-p.325)


賃労働。


あとはびっくりするほど記憶がない。13日の日記から16日の10時前にこうして書いているが──日記とは──流石に三日分溜まってしまうと何も覚えていないものだった。たぶんひたすら虚数の海を探索していたのだろう。
 
これは日記でいうと明日奥さんと話すことになるのだけど、僕は本もFGO もどちらもただ楽しみとして読んでいるけれど後者の方はなかなか面白く日記に書けない。人によって進行度が違うからネタバレを避けたいというのもあるし、たぶんにソシャゲのあるいはソーシャルの内話性というか共有すべきコンテクストや語彙のまちまちさなどが原因なのだけどとにかく面白いソシャゲ語りというのが僕は上手くできなくて、本を読まずにゲームばかりしていると日記が面白くなくなる。
その面白くなさに落ち込むのは柿内さんなのかあるいは本名としての僕なのか、アバターやキャラクターに人格を乗っ取られるようなことを僕も引き起こしているのだろうかと明日の僕は奥さんに話し、しかし柿内正午はかなりごきげんで理想的なやつだから、本体の不調で偶像に迷惑をかけるのはふつうに気持ちのいいことではないよね、というところに落ち着いた。
僕は──この僕は誰だ?──柿内正午という偶像を私生活を送る僕を揺るがす悪者にしたがるくらい弱っていたが、むしろこの偶像をちゃんと面白いものに保つためにというモチベーションでいい方向に引っ張ってもらえてるのだから、都合よく使っているのは本体の僕の方だったし、本体も何もどちらも僕が勝手に名乗っているだけなのだから、どちらも僕で当たり前だった。