2019.12.21

昨晩のクリスマスパーティーは同居人のすばらしい料理によって最高の時間が約束されていて、こうして自宅をパーティー会場に変貌させる人はすごいな! と感嘆する。家に人を迎えるときの気の立ち方と、仕事帰りの憂鬱とで、僕自身はかなり心配で邪魔で役に立たない感じの状態だったが、乾杯の後はもうにっこにこしていた。黙々と食べた。あまりにおいしかったからだ。AppleMusic は便利で「定番クリスマスポップス」みたいなプレイリストを延々とかけていた。最初は「フュージョン」だったが静かに不評で、切り替えてからは皆ゆらゆらと左右に揺れてリズムを取り始めた。じゃがいもと鶏のオーブン焼き、ラザニア、唐揚げ、鶏のパン粉焼き、牡蠣のアヒージョ、きゅうりとツナのサラダ、マリネと水菜のサラダ、バゲットやクラッカーには三種のコンポートだっけ、なんかあのとろとろにしたやつ、特にツナとクリームチーズのやつが絶品、レーズンバター、ザワークラウトなどをのっけて食べる。奥さんの友人はアグリーセーターをばっちり着込んできて、サングラスをしたサンタが回すDJブースはスパンコールでできていた。照明を受けてテーブルにきらめきがこぼれるのをみてみんなが笑った。僕の妹も来ていて、目を細めて満足そうだった。参加者はおのおの「童心あるいは社会」というテーマのもとに、おのおのの「童心あるいは社会」を表現したプレゼントを持ってきていて、ボードゲームで勝った順でかわいらしく包装された「童心あるいは社会」を選んでいった。僕の「童心あるいは社会」は真っ先に選ばれていった。順番にラッピングを解いていく。ひとりひとりがこれの何が「童心あるいは社会」なのかを解説する。ヒイヒイ笑う。楽しかった。

皆が帰っていき、自宅でパーティーをすると帰りを気にしなくていいからすごくいいな、と奥さんと話す。僕はここにきてアドレナリンが出てきたらしく、猛然とテーブルを片付けて洗い物をしてお風呂を磨いてお湯を溜めた。あっという間に片付けも終わり、お茶を飲んで一息ついた。久しぶりの大掛かりな来客に部屋はすっかりきれいになっていて、片付けの済んだ今いつもより広く感じる。同居人はぐったりしていて、午後休を取ってずっとキッチンで料理をしていた、今週は毎日のように夕飯の後何かしら仕込んでいた、そういう感じだったのでほんとうにありがたいなすごいな楽しかったな、と思う。お風呂に入ってもなお興奮状態が続いていて、それはおそらく増刷分の受取日を思惑通りに設定できたことや、品薄でずっと変えないでいた「リングフィット アドベンチャー」をとうとうヨドバシのネットで注文したこととも関係していそうだった。この週末でぜんぶ届く。そうしてまた何かが始まっていく。そういう予感というか期待で満ちていて、それはほとんど不安に近かったからこそ精一杯はしゃいでいた。


翌日は気持ちよく寝坊してのんびり出勤。フヅクエのメルマガは最近は先にラジオを読んで、そのままの流れで縦書き版をダウンロードして日記を読むというふうになっていて、しかし今週は速かった、先週の回答へのお礼だとかをすればよかったな、といまになって思いつく。僕はいつも遅い。会社では暇があるとヤマトやゆうパックの配送状況画面を何度も何度もリロードしていた。ヤマトは明日の到着なのだから見なくてもいいものの、昨晩遅くに岡山を出発した荷物が今日の午前中にはもう都内の拠点にあることにやっぱり驚く。移動している、ということがなんだか楽しくて見てしまう。ゆうパックのほうは今日の到着のはずで、奥さんか同居人が受け取れたら受け取ってくれるけれど、二人の出かけるタイミングと重なったら再配達を頼もうと思っていて、こちらははっきりと目的をもってチェックしていた。経路も都内から始まっていて、移動のダイナミックさはない。仕事はぎゅぎゅっと詰まって忙しく、昼休みに久しぶりに友だちと会うはずだったのに流れてしまった。昼ご飯を慌てて食べる、同居人から「ヨドバシ受け取ったよー」と連絡が来て嬉しくなった。仕事は依然だめなのだが、なんだか気持ちがすっきりとして、いやいや、それじゃいかんと引き締め直す。

夜は早めに退勤して、大学のころの人たちと忘年会でこれも楽しみな予定だった。師走はいつものように人と会う用事がとんとんとんと入っていて、やっぱり人と会うのが楽しいな、と思う。しんどいし疲れるし結構な頻度で「失敗したな」と落ち込むけれど、やっぱり人と会うのが楽しいと思う。