2020.03.03

久々のfuzkue ではアルコールは控えることにして、深入り珈琲とチーズケーキで始める。さっそくメルマガ読者の特権として二冊目の『読書の日記』をいただく。西野さんだろうか、ラジオでの文章もよくって、はじめましてだが一方的に好意的な印象を抱いている、そういう後ろめたさを感じながら、入店時に予約した者ですと名乗っただけだったのだけど、注文時に合わせて本を受け取りに来ましたと告げるとスムースに僕の名前が記された献本を持ってきてくださって、スマート! と関心する。スタニスワフ・レムは読まれなかった。様子見、と開かれたソル・ケー・モオをそのまま読み通していたからだ。解説を書いてるこの人は何者なんだろ、と思って訳者あとがきに進むと配偶者とのことで、それはいいチームだった。仕上げにレモネードをお願いして、挟みこまれたリーフレットを読む。三冊のシリーズの一作目。マヤの文学。三冊だったら揃えられそうな気がする。来月も楽しみだった。


うきうきと帰宅。奥さんは鼻水ぐじゅぐじゅでぐったりしていた。ほら! と僕は『読書の日記』を見せびらかして、奥さんは、あはは、と笑った。冗談みたいだね、あ、軽い、箱じゃん、小口がまっすぐなこともあってなおさら、可愛い小物入れに見える。同居人も一目見て、箱! といい、開いてみて、本! と言った。箕輪さんの装画がとびきり素敵で、この表紙はいいなあ、すごくいいなあ、と思う。正面から写真にとると、そのまま額に入れて飾れそうな感じがする。奥さんは雨の日のほうが花粉症が酷くなると言う。僕は雨だと収まるから不思議だが、僕はそんなに重くないからそうなだけで、重度の花粉症者は雨くらいじゃ何も変わらないらしい。しかし雨の日にことさらぐじゅぐじゅになるというのはやはり不思議で、奥さんは独自の調査のうえ寒暖差アレルギーなのでは、と仮説に辿りついた。しかし寒暖差アレルギーは正確にはアレルギーではないらしい。何なんだ。ともかくも自律神経の乱れですな、と結論が出たが、それはストレスですね、と同じくらい何も言っていない。何らかのストレスを受けて自律神経が乱れるのだから、同じくらいというか同じことだ。


果たして今朝は暖かかった。時差通勤を利用して午前中に図書館に行った。書架は閉鎖されていて、返却もカウンターに持っていこうとするとマスクの係員二名に、ここに持ってきてはダメ! 手前に臨時の返却ボックスがあるから、そこに投げ入れなさい! と指示される。すっかり保菌者扱いで苦笑する。でも予約資料の受け取りは普通に行われた。返却される本に対しての、絶対に手渡しされてなるものかという勢いは何だったのか。館内を見て回ったり、そこで資料を閲覧することはできないが、返却と貸し出しは行う、予約資料は各図書館からこれまで通り送られてくるとのことだったので一安心。


気分はすっかりfuzkue なので、今日は佐伯一麦。『ノルゲ』。